大工になりたかった僕が小説「コーヒーが冷めないうちに」を書くことができたのは、子供の頃に初めて買った週刊少年ジャンプとの出会いにあった。

こんにちわ。

「コーヒーが冷めないうちに」著者の川口俊和です。

早いもので小説「コーヒーが冷めないうちに」が2015年12月に刊行されてから2年になります。おかげさまで今でも書店店頭に置いていただいているお店もあり、「コーヒーが冷めないうちに」は発行部数57万部を突破することができました。

初めて書いた小説が、まさかの57万部突破ということで、僕自身が一番驚いております。ここまでこれたのも、この小説を店頭で展開してくださった書店員様、一人一人の暖かい応援の結果だと信じております。

本当にありがとうございます。これからも、よろしくお願いいたします。

 

さて、現在は小説家として執筆を続けながら「コーヒーが冷めないうちに」の舞台を全国で上演するために奔走している僕ですが、実は子供の頃の将来の夢は大工になることでした。

大工になりたいと思ったのは幼稚園頃くらいだったかと思います。きっかけは覚えていないのですが、手先の器用だった父と兄の影響があったのではないかと記憶しています。

そんな僕が大工という夢を捨てて漫画家になろうと決意する事件が起きます。

それは1980年、僕はその年に初めて週刊少年ジャンプを購入しました。それまでは小学館のコロコロコミックしか読んではいなかったのですが、大人の階段を一つ登るというのでしょうか?(笑)ふと、コロコロコミックの隣にあった週刊少年ジャンプに手を伸ばしました。

それまでも漫画好きの僕は友人と「ゴロゴロコミック」とか「ボロボロコミック」などというパクリ漫画をノートに書いてはクラスの友達の読んでもらったりしていましたが。漫画家になろうなどとは思っていませんでした。しかし、僕の人生はその時買った週刊少年ジャンプによって大きく変わってしまうのです。

その日、手に入れた週刊少年ジャンプには鳥山明先生の「Dr.スランプアラレちゃん」が新連載として掲載されている号だったのです。

「博士、飛べません!」

博士に作られたばかりのアラレちゃんがロボットならできるはずと飛ぼうとして飛べない時に発するセリフ。僕はこのセリフに大きな衝撃を受けました。

ロボットなら人間にできないことができる、というのが当時の漫画の常識だった(僕の読んできた世界では)

人間にはできない力で悪と戦う。そのイメージが一気に崩壊した瞬間でした。地球を割ってしまうほどのパワーを持ちながら、普通の人間として生活させる。一体どうなってしまうのだろう?僕はその日から週刊少年ジャンプの、鳥山明先生の虜になりました。

それまで好きで書いていただけの漫画を将来の職業にしようと思ったのです。それは鳥山ワールドに対する強い、強い憧れからだと思います。

 

残念ながら漫画家になる夢は未だ実現できていませんが(諦めた訳ではありません)、現在、僕は小説を書かせていただくことで憧れだった自分の物語を紡ぐという職業で生活しています。

僕が衝撃を受けた「地球を割るほどのパワーを持ったロボットなのに人間として生活させる」というのは、僕の「コーヒーが冷めないうちに」の中の「過去に戻ってどんな努力をしても現実を変えることができない」というルールに通じているものがあります。

それは「誰もができると思っていることをできなくしてみる」ということです。

過去に戻って現実を変える話だと誰でも知ってる有名な映画があります。そうです。

バックトゥザフューチャーです!

あまり映画を見ない僕でも大好きな映画です。この映画は、過去を変えると未来が変わるという設定を最大限にいかしたエンターテイメント作品です。こんなに単純な設定なのに全世界のたくさんの人の心を鷲掴みにしました。

僕はその「過去を変えると未来が変わる」を「ロボットなのに飛べない」に置き換えて見ました。つまり、

「過去を変えても未来は変わらない」

これが「コーヒーが冷めないうちに」の肝になったのです。

こうやって考えてみると、僕は鳥山先生に大きな大きな影響を受けているのだと思います。もしも、あの時、週刊少年ジャンプを買っていなかったら?鳥山先生の漫画を読んでいなかったら?僕は大工になっていたかもしれません。漫画家を目指して上京してなかったかも、芝居をやっていなかったかも、「コーヒーが冷めないうちに」という作品を書いていなかったかもしれませんね。

 

人生て、本当に不思議な瞬間瞬間の出会いによって綴られているのだな、と思います。

by 川口俊和

 

次回は、なぜ、僕が漫画家志望から演劇を始めたかを書きたいと思います。

 

こちらは川口俊和の主宰する団体1110プロヂュースのホームページのブログです。

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大工になりたかった僕が小説「コーヒーが冷めないうちに」を書くことができたのは、子供の頃に初めて買った週刊少年ジャンプとの出会いにあった。” への1件のコメント

  1. ピンバック:将来の夢が漫画家だった僕が演劇の世界にのめり混んでしまった理由。 | 1110プロヂュース

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